田中麗華の里親訪問 第2回

児童養護施設出身の田中麗華さんがキャスターとして、様々な形態の里親の方を訪ね、里親を目指す方々にとってのヒントや課題を見つける連載企画。

今回訪問した志賀志穂さんは、精神障がいの方の就労支援施設等で精神保健福祉士として障がい者支援に携わっていた、笑顔いっぱいのアネさんって感じの方です(笑)。

そして里親であることをママ友に伝え、里親が地域貢献する在り方を発信していきたいそう。

里親になろう、

死産と鮫島先生との出会い
 

こんにちは〜

さっそくですが、簡単な自己紹介をお願いします。

45歳です。高齢ママです(笑)。24歳で結婚し、長年の不妊治療を続けていました。40代になってやっと授かる事が出来たのですが、平成28年、42歳のときに死産。その後、平成30年43歳のときに児童相談所で里親登録しました。現在は乳児の委託を受け、新米ママとして毎日奮闘しております!

里親になられたのはまだ最近なのですね...里親になりたいと思うような出来事があったのでしょうか?

(インタビューということでズケズケ聞いちゃいます!)

死産を経験したとお話しましたが、死産は普通のお産と一緒で陣痛を起こし出産します。違っている事はひとつだけ。愛しい我が子は既に母親のお腹で亡くなっています。そんな我が子を取り上げてくださった産科の医師が『さめじまボンディングクリニック』の鮫島院長先生でした。(※埼玉県では平成30年度より、妊産婦支援による特別養子縁組推進モデル事業を実施している。この事業は専門性がより高いことから特定妊婦へ特別養子縁組も踏まえた母子支援を実施している産婦人科医療機関であり『あんしん母と子の産婦人科連絡協議会』に属している、『さめじまボンディングクリニック』へ業務委託している)

私達夫婦は出産の数日前から鮫島院長先生のご配慮で、特別室に入院。入院中に院長から聞いた話は衝撃でした。「志賀さんの前の妊婦は高校生の女の子だったよ。ここは訳ありの妊婦のための安全で守られた部屋なんだ」。私は自分の出産数日前に、初めて特別養子縁組という制度をきちんと知る事になります。

いよいよ出産日。その日はお産が多く、隣の陣痛室からはハッピーバースデーの歌と拍手が聞こえてきました。そのハッピーバースデーの歌を聴きながら陣痛の痛みに耐え、ぼんやりと考えていました。「その高校生の女の子は、他人に託す我が子をどんな気持ちで産んだのだろうか」。

退院後半年程は、我が子を失った喪失感で何も出来ませんでした。私は夫に泣いて訴えました。「子どもを失った私は何の価値もない。我が子を守れなかったダメな母親だもん」。夫も泣きながら答えました。「生き残った僕達は、未来ある子ども達の為に残りの命を活かして生きてゆきたい。どうか一緒に里親になってくれないか」。

夫婦でさらに半年程の月日をかけて、何度も話し合いを繰り返しました。そしてまずは児童相談所に電話し伺って、夫婦揃って説明を受けました。

児童相談所の登録の流れ

里親登録までの簡単な流れを教えてください。

自治体によって異なりますので、まずはお住まいの地域の児童相談所に電話する事をお勧め致します。私達夫婦の児童相談所では、①基礎研修(座学1日)②基礎研修2(施設見学1日)③認定前研修1(講義2日)④認定前研修2(養育体験2日間)⑤里親申請書類提出⑥家庭訪問調査⑦所内認定会議⑧社会福祉審議会⑨里親登録となります。これに加えて新しいステップに進むたびに、児相の担当職員とふりかえり面接があります。

夫婦別に研修を進めることも可能でしたが、私達はすべて夫婦で揃って研修を受けました。

登録までの期間はどのくらいでしたか?

これも自治体によって差があるそうなのですが、私達は約1年半程かかりました。

受け入れる里子へ

里親としての思い

受け入れる里子への希望はありましたか?

私が精神保健福祉士で、夫が障がい者雇用に大変積極的な企業に勤めておりましたので、たとえ障がいのあるお子さんであっても我が家で受け入れたいと申し出ておりました。年齢・性別は問わず、また長期委託や緊急一時保護でも選ばず受けようと、研修前から夫婦で話し合って決めていました。

志賀さんの里子への思いは、全国に先駆けて愛知県の児童相談所新生児委託を始めた通称=愛知方式の養親希望の誓約書に書かれた心構えと、まさに一緒だったのですね。

子どもの性別、障がいや病気の有無で、子どもの命の線引きを親がしないという思いにおいては、確かにそうかもしれませんね。

どんな里子でも受け入れようとした覚悟には、どんな思いがあったのでしょうか?

死産した我が子は、18トリソミーという染色体疾患の子どもでした。いくら実子であっても、どんなご夫婦であっても、等しく子どもの命について選ぶことができない事を痛いほどに経験していたからです。

愛知方式の誓約書(ページ最下部参照)では、特別養子縁組成立以前に産みの親から子どもを引き取りたいと申し出があった場合には返さなければいけないとありますが、どう思われますか?

本音を言えば、子どもへの愛情は日に日に深くなるばかりで、とてもじゃないけど離れがたいです。でも愛知方式の赤ちゃん委託もきっとそうで、生母さんはギリギリのところでつながれた命のバトンを渡してくれました。自らのお腹を痛めて産んだ我が子を託す母としての最期の決断は、子どもへの深い愛情以外の何者でもないと信じています。

特別養子縁組について

「子どもの福祉」が目的

特別養子縁組は家庭裁判所の審判が必要なんですよね?

民法の制度であって、現行では原則6歳未満のこどもが対象です(15歳未満に引き上げ、成立の手続を二段階に分ける=令和2年4月施工)。6か月の監護期間の後に家庭裁判所の審判が必要となります。審判確定後は実の親子同様の親族関係が生じると共に、普通養子縁組と大きく違う点は、実親さんとの法的な親子関係を解消する事です。

養親を希望されているご夫婦には、「特別養子縁組」が「子どもの福祉」を目的としている事を、どうか心に留めて頂けたら嬉しいです。

あくまで「子どもの福祉」が目的なのですね?

不妊治療の辛さは痛いほど分かります、私も経験者ですから。そんな辛い不妊治療を重ねてこられたご夫婦が「子どもに愛情を注ぎたい」「子育てをしたい」と温かい未来を思い描く事はとても素敵ですよね。

でもどうか忘れないでください。私達大人側は、自分達の意思で里親になると決める事が出来ました。ただ一方で、小さな里子達はどうなのでしょうか? 子ども達が自らの意思で選び、私達夫婦の元へ来たのでしょうか? そこには必ず実親とのとても悲しい別れを経た上で、新しい家族となった私達の元に来てくれました。たとえ今、子どもが目の前で笑っていたとしても。どんな里子達も等しく親との別れを経験しているのです、その小さな身体で。子どもが抱える痛みも含めて、すべてを受け入れてほしいです。

それでいうと、子どもの声を聴こう!という動きも活発になっていますよね。現状では施設養育9:家庭養育1だとか。

2011年「児童相談所における里親委託及び遺棄児童に関する調査報告書」によると、里親委託が進まない理由として、194か所の児童相談所のうち、149カ所(約80%)が「実親・親権者が里親養育を望まない」を選択しています。

では私達里親側はどうかというと、養子縁組だけを希望している里親登録者が多かったり、里親の里子に対する要望が多く(年齢や性別など)不調回避のマッチングが行いづらいなどの複数の課題を抱えています。

施設か里親か...よく耳にする話題です。それでいうと特別養子縁組や里親の良いところはなんでしょうか?

とっても当たり前の事なのですが、私達母親はこんなにも可愛い里子を産んでいないという事実があります。だからこそ子どもを一人の人間として、子どもの気持ちを尊重出来る距離感を見失わずにいられるのではないでしょうか? だからこそ子どもを愛して最強の味方であり続けられる、そんな新しい家族のカタチの未来を信じています。

国は2016年の児童福祉法の改正で、子ども達の生活の場を施設から家庭へと大きく方向転換しました。実際に乳児の里子と共に暮らす志賀さんが、育児の中で大変だと感じられた事はありますか?

委託を受けた最初の頃は措置の関係で児童相談所から、ご近所の方々に子どもが自宅にいる事をなるべく明かさないようにとの指導がありました。子どもの安全を確保する為に致し方なかったとはいえ、里親サロンへの出席も許されず不安でいっぱいでした。さらに親権者同意の確認が取れず、里子にインフルエンザなどの予防接種を受けられない期間があって、とても心細かった記憶があります。

また里子が乳児湿疹で顔に切り傷のような痕が出来てしまって、近所の小児科を受診。里子や施設の子ども達など措置中の児童は、行政発行の受診券を持参します。その受診券には、施設名として夫の名前が入っていたり措置名も記載されています。小児科の受付の女性も受診券をご存じなかった様子。そして周りに聞こえる声のトーンで「虐待なのかな?」と他のスタッフに聞いていました。

私の経験ではありませんが、新生児委託された赤ちゃんの乳児検診が小児科で断られることもあるそう。養子縁組の監護期間は世帯上「同居人」であって、法的な親族関係でも里親委託でもない子どもであるというのが要因だそうです。

その後の措置変更で、子どもと家に引きこもっていた反動もあって、子どもに沢山の風景を見せてあげたい体験をさせてあげたいと、積極的に地域へ出るようになりました。

里親の育児とママ友と

委託後に感じた孤独感

里子と地域に出て変化した事は何ですか?

地域の支援センターなどに通う事で、沢山のママ友が出来ました。でも親しくなる程に、里子の安全を守る為には子どもの個人情報について、ママ友に言えない事を沢山抱えるようになっていきました。新米ママの私は、次第に孤独感と育児による睡眠不足で押し潰されそうになった時期もありました。周りに人がいるのに、なんだか孤独なのです。

そんなスランプに陥った私に夫は「親としてその痛みをちゃんと感じなよ。それはきっとこの子が、たとえば小学校に通うようになった時に、思春期に、就職した時、結婚や子どもを授かった時に、将来に受ける痛みときっと一緒だから」。

乳児の委託であれば愛着障害がほぼ見られなく、いわゆる愛知方式で委託されれば、大きな問題もなく家族になれるのかなと思っていました(汗)。

​​頭が混乱してきました...

社会的養護(社会的養護=保護者のいない児童や保護者に監護されることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し保護するとともに養育に困難な抱える家庭への支援を行うこと)が必要な子どもにとって、愛着障害を抱える前の年齢で少しでも早く養子縁組や里親委託の方向へ動けば、私も自然に家族になれるものだと考えていました。

家族になれて幸せもとても素敵な話ですが、委託後の家庭での生活の積み重ねが子どもにとっては大切です。これは単なる育児経験で蓄積されるものではなく、親と分離された子どもの養育には、一般家庭とは違った専門的な視座も必要です。愛着障害などもそうですね。

愛着障害...について教えてください。

愛着障害とは、親などの特定の養育者との愛着関係が、長時間の施設養育や虐待などの何かしらの原因で形成されず、主に情緒や対人面で困難が生じる事です。

児童相談所の研修を受けた里親であっても、委託後の予想を超えた里子の行動に、すっかり自信を失くして一年以内に里親をやめてしまう方も少なくありません。例として、里子が公園などで会った大人の誰にでも抱きつき着いて行ってしまったり、反対に抱っこのされ方や心地よさがどうしても理解できずに、どんなに優しく接しても無表情で身体を固くしたままの里子であったり。愛情深い一生懸命な里親こそが、どうする事も出来ない子どもの様子に里親として自分の接し方が悪いのではないかと、日々精神的に追い詰められて混乱してしまうのです。

 私は以前、乳児院で抱っこボランティアをしていました。1人で同時に3人の赤ちゃんの授乳や抱っこのお世話をしていました。赤ちゃんがミルクを欲しがってどんなに強く泣いても、どうしても1人では3人同時にはあげる事は出来ません。赤ちゃんが寂しがって抱っこしてもらいたいとどんなに強く泣いて訴えてきた所で、どうしても順番となってしまいます。必ずどの子かを、毎回待たせることになってしまう。乳児院の職員さんはみな熱心で素晴らしい人ばかりでした。職員の方々が、どんなに心を込めて赤ちゃんに対して愛情深く大切に接していても、やはり家庭とは違うのです。

委託後に愛着障害の相談は...?

社会的養護の子どもに関する委託後の育児の特有な悩みは、ママ友にも相談出来ません。児童相談所に相談するにしても、里子と一緒に生活する上での日常の困りごとの為に、毎日悩みが尽きる事はありません。また里親仲間同士であっても、子どもが抱える背景や年齢が異なったりする為に相談に乗れない時もあります。子どもの成長に伴った、子ども一人一人に対しての、長期的な支援のシステムが早急に必要だと感じています。

愛着障害等の子どもの養育において里親が直面するしんどさは、決して里親個人の養育能力が不足だとは思っておりません。中途養育という一般家庭とは異なった里親家庭特有の困難さがあるのです。さらに愛着障害以外にも被虐待児やネグレクトなど、それぞれが異なった子どもの成育歴に対する、専門的な視点からの寄り添い方が必要な里子も多いのです。

そして平成30年の児童相談所による虐待相談対応件数が厚労省から公表されました。件数は15万9850件で、前年度より2万件近くも増加しました。里子や施設の子ども達を、「社会的養護の必要な子ども」と言います。まさに字の通りで、もはや里親が、児童相談所が、施設の職員が、頑張るだけでは到底追いつかない数なのです。

今こそ、社会全体で支え合って子どもを守りながら一緒に育てていく事へ、親としての意識変容が求められている時なのだと思います。

子どもの出自、真実告知について

希望を感じ未来を生きるために

志賀さんが特に、必要だと感じる支援とは?

「真実告知」など里子や養子の出自に関する事ですね。私はよく「本物の家族に見えるよ」と言ってもらえるのですが、そもそも本物って何でしょうか? それならば偽物の家族ってあるのでしょうか? 

私達里親や養親は血縁によらない親子関係を、つい地域のママ達からの視線を気にしすぎてマイナスに捉えてしまいがち。そして過剰に親子に見えるかどうかを意識し振舞ってしまったり、親子が似ていると言われる事に一喜一憂してしまったり。里子と共に実際の地域の育児コミュニティーに出た途端に本当の親子に見られようとするあまり、一番大切な子どものその小さな声や、実親に抱く秘めた思いにちゃんと耳を傾けていますか?

ましてやどんな生母さんであっても、私達里親が生母さんの悪口を言う事などによって生母さんの存在を否定するような言動は、里子の立場からしてみたら、子どもの尊い命を否定することに成りかねず、とてもデリケートな問題です。

また「真実告知」に関しては、子どものアイデンティティ形成に与える影響が大きいと思うのです。そして子どもの年齢によっても受け止め方や生母さんへの思いも変化していくものでしょうし、思春期・青年期以降の生涯にわたっての長期的な心理的な支援を望んでいます。

現在安全な家庭に暮らしていても、子どもにとっては過去の出自を受け止めていく課題があるのですね?

その通りです。そして残念な事に現在の日本では、出自を知るためのプロセスについて専門的な相談機関もありません。過去に焦点を当てる事に対して、もしかしたら後ろ向きに感じられる方もいらっしゃるかもしれませんね。

でもむしろ逆で、希望を感じながら子どもが未来に向け生きる為に出自を整理する「ライフストーリーワーク」というものがあります。イギリスでは社会的養護の子ども達の支援ツールとして実践されているのですが、日本では最近になって注目されて来ているのが現状です。

里親家族を知ってもらう

地域の育児支援へ

委託後の里親や養親の課題は何でしょうか?

所属する自治体の里親会や児相での研修はあっても、地域の毎日の生活の中での安心できる場が親側にしても持ちづらいことです。ママ友が出来てもすべてを開示できず、孤立した育児に陥る経験もしました。だったら里親の私から思いきって地域に出てみようと思いついた事が、里親として地域の育児支援を始めたきっかけです。

具体的に地域でのどのような育児支援に携わっているのですか?

地域の孤立したママの育児支援として交流会の企画をしたり、自治体認定の親学ファシリテーターの資格を取得し活動しています。またご縁のあるママ友には、里親である事を隠さずに話しています。それがきっかけとなって里親に関する本を読んでくれたりして、ママ友から質問される事も増えました。子どもの情報は「言えない部分があるの。私は里親だから」と言えない理由をハッキリ伝えられるようになった事で、地域でのお付き合いがとても楽になりました。

里親の地域の居場所

弱さも共有『あゆみのカフェ』

里親、養親同士の交流はどうなのでしょう?

公共機関やフォーマルな場以外で、地域における里親の居場所が必要だと感じるようになりました。そこで夫婦で任意団体を起こして、自治体の認可を経て社会福祉協議会の助成金を運用して、里親や養親家族、ステップファミリー、ひとり親家族、LGBT家族など、血縁によらない新しい家族のカタチ「定形外家族」に向けた子ども食堂『あゆみのカフェ』をオープンしました。

『あゆみのカフェ』は子ども食堂なのにカフェなんですね〜

スタッフが夫婦2人で小さい子どもがいる事もあって、ちゃんとしたお料理が出せないだけです(笑)。人手不足を補うために、子ども食堂ネットワークに登録してフードバンクなどから調理のいらない食べ物の寄付を受けたり、地元の精神障がい者の就労支援施設にお願いして、クッキーなどの焼き菓子を提供して頂いています。

そして『あゆみのカフェ』は、血縁によらない新しい家族の居場所として、安心して「弱さを共有できる場」を目指しています。

『あゆみ』という名前も、鮫島院長先生に取り上げて頂いた死産した子どもの名前です。地域で見えない存在となっている子ども=社会的養護が必要な子ども達の存在を、地域に誇りをもって示したいとの願いが込められています。それと同時に、子ども達と手をつなぐというよりも「子どもの思いに大人の方から手を取り歩み寄ろう」という思いも込められています。

血のつながっていない里親が

子どもの命を未来へつなぐ

志賀さんが理想とする里親や養親像を教えてください。

完璧な人が里親に向いているなどとは全く思っていません。むしろ自分の中に痛みを抱えている人の方が向いているかな? 死産経験者の私が里親としてささやかに誇れる事は、親子の別れを経験した私自身も当事者だという事です。だって親子の別れはただ圧倒的で、人生を根こそぎ奪っていくもの。普通になんか生きられるか! そんな怒りも悲しみも未だに内包しています。子どもにしてみたら(里子達は)、もっと混乱して受け入れられなかったはず。だから里子が抱える出自の葛藤やなんとも言い難い揺らぎのようなものに対して、少しだけ近くで同じ風景を見て寄り添えるのではないかな。

今後里親登録を希望されるご夫婦にメッセージをお願いします。

特別養子縁組や里親家庭は、子どもの絶対的な安全基地であり、子どもが幸福になる為の、旅立ちの場だと考えています。血がつながっていなくても、子どもの命を未来へつなぐ事にこそ、養親、里親として誇りに感じてほしいです!

愛知方式の誓約書

1  出産後、産院等又は児童福祉関係者から、赤ちゃんの引き取り許可を受けたその日から、私たちの家庭へ赤ちゃんを迎え入れて育てる決断ができております。

2  私たちは、妊娠中の母体保護と胎児の安定に協力し、元気な赤ちゃんの誕生を祈って待機しており、このことを妊婦さんへ告げて安心させてあげることに積極的に賛同いたします。

 

 3  家庭裁判所による養子縁組成立の審判以前に、産みの親から子どもを引き取りたいという申し出があった場合は、児童福祉専門職者の意見を参考とし、真に子どもの幸せになることであれば、私たちがどのように辛くても育てた子をお返しいたします。

 

 4  子どもの性別を選びはせず、実親側の妊娠経過について、どのような事情があろうとも、赤ちゃんには責任のないことであり、一切不問として育てます。

 

5  わが子を出産する場合と同じ覚悟で待機しており、分娩後の赤ちゃんの障がいの有無で家庭引取りを左右したり、養子縁組許可申立てを取り止めるような身勝手はいたしません。

 

 6  生まれた赤ちゃんに重度の慢性疾患や障がいがあったり、未熟児分娩であったりしたため引き続き入院継続を要し、将来にわたっても、専門施設等での療育が必要とされる場合でも、私たちがこの子の親となる決断をしたことを変える考えはありません。

 

 7  発達に関して障がいのある児童でも、親を持ち、家庭で育てられる権利を有することに変わりなく、情緒的安定が必要であり、産みの親に替わって家庭内で養育する環境を用意しなければならないことを理解しており、万一そうした状態となったときは、所管する児童相談所等の療育指導を受けて保護責任を全ういたします。

 

 8  養子に迎えたわが子には、産みの親と別れた経緯を知る権利があることを理解し、将来、適切な時期を選んで産みの親を傷つけないように配慮しつつ、真実告知いたします。

 

 9  子どもが堂々と胸を張って生きていける明るい養子縁組家庭を築くとともに、私たちの後に続く同じ立場の親子のため役に立つならば、私たちの体験を伝える会合への出席や説明を積極的に担当いたします。

児童養護施設出身者からみる

「特別養子縁組」の感想

みなさんはここまで読んでみてどんな気持ちでしょうか。「考えさせられるストーリーだった」「里親に興味をもった!」さまざまだと思います。わたしは今回を含め2回、里親さんにインタビューをしていますが未だにピンッと来ていません。里親なの?養子縁組なの?養子縁組は民法、児童福祉法じゃないの?...無知丸出しで申し訳ないのですが、本当にそんな気持ちです。

ただ、今回、志賀さんのお話を聞いてわかったのは命を受け継ぐバトンが確かにある、ということ。そして養子として迎え入れた子への事実告知や地域の居場所が少ない、ということでした。

インタビュー当日、わたしはある失敗をしました。志賀さんの里子さんを見て「似ていますね〜本当の親子みたいですね〜」って。後日SNSで「(別の里親さん)本当の親子ってなに?」という投稿を目にして、わたしはいまも、どう声をかけたらよかったのか分かりません。でもじぶんが無知すぎるが故に傷つけてしまったのはよくわかります。

 

きっと里親さんたちはわたしのような人から言われた何気ない一言に傷つき、生母さんや児童相談所、ママ友、家族、さまざまな関係者の間で葛藤しているのだと思いました。

だからこそ「弱さを共有できる場所」が必要なのかもしれません。あゆみのカフェ、気になるので一度行ってみたいと思います。

​\ 里親さん、里子さんの声を集めています /

これから様々な形態の里親さんにインタビューをさせていただき、里親制度の啓発をしていきたいと思っております。「まずは知りたい」という気持ちがありますので、もしご協力してくださるかたがいらっしゃいましたら、下記メールアドレスまでご連絡いただけますと幸いです。

assystars@yahoo.co.jp

次回へつづく...

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